天正金鉱(4)

いよいよ坑道に突入。

ここの坑道は「柿木間歩(かきのきまぶ)」と呼ばれており、以前、甲州の山の中で見た武田金山の坑道と違い、立って歩ける高さがあった。おばさんに「時代が近いのに、ここの坑道は広いですね」と言ったら、奧に神様を祀ってあるため、「たぬき掘り」ではなくて、広めに掘ったのではないか、とのことだった。
坑道は曲がりくねっていた。金の鉱脈を追ったからこうなったのでは?と思ったら、人の出入りで空気を効率よく流通させるためには、直線的な穴ではなく、適度に曲がりや窪みをつけた方がうまくいくから、わざとそうしたらしい。
階段部分の天井には、逆さ階段が掘られていた。これも、空気を効率よく流通させる手段だそうだ。
天井には空気穴があった。見上げたら塞がっているように見えたが、風の強い日ははっきり空気が流通しているのがわかるらしい。

突き当たりには神様を祀った「龕」(がん)があった。岩に縦に割れ目を掘ってあるだけなのだが、当時の採鉱者はこれを観音様として拝んでいたらしい。

70メートル掘って、その後、入口を埋めてしまったのも、この祠を無関係な人に荒らされたくない、という思いがあったのでは?とおばさん。「私たちみたいな人に観光されるのを神様が喜んでいるのか悲しんでいるのかわかりませんねぇ」

出口用に掘った通路を通り、穴の外へ。ここの岩は、江戸末期、お台場を作る時に切り出されて使われたそうだ。

石の崖に大きな人の横顔のような形があったが、おばさんの話では当時の人がいたずら心を起こして掘ったものではないか、とのこと。

下に降りて説明はおしまい。ここまでで約1時間。私にマンツーマンでつきそって説明して下さってありがとうございましたm(_ _)m

おばさんが帰っていったので、その後は許可を撮って、坑道以外のコースを一人で回り、あれやこれや写真を撮ってきた。所要1時間半。600円でこれだけ楽しめるお得な施設だった。はっきり言って、近くの土肥金山よりオススメである。

●龕付天正金鉱
静岡県伊豆市土肥屋形、R136沿い、土肥金山から約500メートル南、0558-98-1258
8〜17時、無休、600円

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