秩父珍石館

秩父珍石館に8年ぶりに行くことにした。県道209号沿い、巴川橋の近くだというのは知っていたが、小鹿野町側から行ったら、看板見落とし、友人ともども2回もUターンすることに。

←R140側にはこんな立派な案内看板がある。

晴れていて暑いなぁと言いながら、砂利の駐車場にバイクと車を入れた。

珍石館の隣はレストランだった。珍石館の方が経営していらっしゃるんだろうか?今日は安田屋のカツ丼でお腹がいっぱいなのでそちらには寄らず、珍石館の建物に近づいたら、ドアに「営業中」の札が下がり、テレビ出演時の番組名が掲示してあった。2003年は10月から3回、2004年は6回番組に出演しているそうだ。珍石の展示個数は900個らしい。

友人がドアを開けて中を覗き込んでいた。「誰かいる?」と訊いたら、「おじさんがいらっしゃるよ」ということで、入場料を払って入館した。

入館時、客は私と友人だけだったので、おじさんはほとんどマンツーマンで解説。石の8割は荒川で拾ったものだそうだ。笑い顔の石の裏側に怖い顔があるのを見せたり、涙を流す石を見せたり。涙石はオカルト系ではなくて、上にある穴からおじさんが水を注いでいるのだった。石の中が空洞になっており(おじさんの話では火山ガスが抜けた跡だそう)、眼の位置の穴から水が垂れてくるわけ。

一階の隅に亀甲の形に割れた石があった。脇に釣り竿と玉手箱が置いてあって、これで浦島太郎の扮装をして下さい、ということだった。他の客が入ってきておじさんが彼らの相手をしている間、友人が玉手箱と釣り竿をもって亀石に跨って、私が写真を撮ろうとした。そうしたら、おじさんが「違う、そうじゃない」と言いながら、いろいろ手直ししていた。いろいろとこだわりがあるねぇ(^_^;)

二階は展示室になっていた。

珍石館で「人面君」という石の「達磨」(1500円)が商品として売られている。「達磨」というのは、紙細工製で、白目の部分に目を入れて下さいということが共通しているためである。同じ形の陶器製の貯金ダルマ(3000円)もあった。

この商品の元になったのが、「神童」(かみわらわ)という名前がつけられた人面石。おじさんの話では、

この石は3000万年前の堆積岩に貝が3個埋め込まれ、摩耗して貝の断面が現れたもの。
○圧力で貝の上下がずれて、ツタンカーメンの目のようになっている。たまたま偶然黒目のような模様も現れている。

○昭和33年にこの石を1万円で入手した。当時の月給が1万円だったので、かなり高価。そうしたら、これを30万円で売ってくれ、という話がきて、もしかしたら、値打ち物かも?と思ったので売るのをやめて自分で持っておくことにした。

○数年後、石の展示会が上野で開催されることになり、会長さんに頼まれてこの石を「とぼけ石」という名前で出品しようとした。そうしたら、いつの間にか、「神童」という名前がつけられてしまっており、驚いた。

展示会終了後、この石と同じ顔をした神様が夢の中に現れて、「人面石をたくさん集めなさい」とお告げをした。今まで人の顔をした石は不吉だから集めるものではない、と聞いていたのだが、これ以後、お告げにしたがって石を集めるようになった。そうしたら、日本各地から「人の顔をした石を入手して困っている。そちらで預かって下さい」ということで、たくさん人面石が送られてくるようになって、一大コレクションになってしまった。

○「神童」石を売ってくれ、という株屋さんが来た。断ったが、これが縁で株の売買をするようになった。そうしたらもうかった。石の神様の御利益だろう。

ということで、「貝化石 とぼけ顔して 良き夜かな」という句?が貼られていた。

館内は撮影禁止だったが、特別にお願いして、「神童」の写真を撮らせて頂いた。

おじさんの話は面白かったけれど、同じ部分を話が二周三周する。石の会の会長さんがどうした、ツタンカーメンの目がどうした、夢のお告げがどうした・・・(ノД`) 友人は困って展示室の反対の端に行ってしまった。

おじさん、やっと次の話題に移る。神童の隣の区画を目隠ししている板を取り除くとカリの部分に金の鉱脈が入った石の珍が。各地で珍石を見たがこれは珍しい。この石の採取場所は「十文字峠の手前側」で、「信玄がこの界隈で金を採掘した場所」らしい。私がすごいすごいと言ったら、おじさん、喜んで話をまたリピート(^_^;)

次の珍石は下の引き戸の中に入っており、マン木とセットになっていた。珍しいのはマン木の方で、クマが蜂蜜を取るために引き裂いた木の跡が穴になっており、「名器 クマの爪痕」だそうだ。おじさん、「こんなのとやったら精を吸い取られちゃうよ〜」と嬉しそう。嬉しそうにその話を何度も繰り返す(ノД`)(ノД`)

★8年前はこの珍萬は普通に陳列されていた。子供への影響を考えて目に触れない場所にしまったらしい。

3つ目の珍萬はこれまた引き戸の中。こちらも珍石とマン木のセットだ。木の股になった部分に割れ目が入っており、表側に比べ、裏側の割れ目が大きい。「狭い方が娘で広い方が古女房」「お前のは広くでがばがばだと言ったら、「誰のせいでこうなったのかしら」と言われる」云々 おじさん、猥談が大好きだなぁ(^_^;)

その時、ごごごごご・・・という音が。あれ?もしかして雷?さっき晴れていたのにまさかね?おじさんに「雷かな?」と訊いたら、「だと思います」あ、やべ。バイクにカッパ積んだままだ。慌てて外に出たらすでに集中豪雨。でも、下で店番していたおばさんがバイクに傘をさしかけてくれたおかげでカッパは無事。どうもありがとうございますm(_ _)m

ということで、雨がやまないとどこにも行けないので、おじさんの説明大会続行。

有名人そっくりの珍石コーナー。

研ナオ子、海部総理、宮沢総理、寅さん、左朴全、武蔵関、熱唱中の都はるみ、整形に失敗した某女性タレント、タイガーマスク等。言われてみれば似てるというレベルだが、おじさんの発想力には脱帽。しかし、宮沢総理は石に見立てられやすい顔なのか?先ほどの珍石の上部に載っている顔も「宮沢総理」という説明だったが、その他に二つもあったぞw

古生代の爬虫類「メソサウルス」の化石

新聞記事によると、2.7億年前のものだそうだ。おじさんの話では、所有していた会社が、これよりさらに完全な形の化石(前足が明確なもの)を入手したため、ここで展示することを条件に、珍石館に売却したそうだ。「これはアフリカ南西部で取れたもの。アメリカとアフリカの両方から出土するので、大陸移動説の根拠になった化石だ」とおじさん。「ウェーゲナーですか?」と聞き返したら、おじさん、スルー。先ほどから思ったのだが、おじさん、学術的なことにはあまり深い関心はないようだ。

97年に行ったさい、特別に写真を撮影させていただいた「子供を抱いたお母さん」石。改めて質問したが、「人類発祥以前の石なので、変な霊がついていたりする筈がないでしょう」とのこと。でも、見れば見るほどヤバそうな石だよな。頭の部分から足の方まで明瞭だし。

この石のいくつか隣にある「ロシア娘 ナターシャ」という石について、「ナターシャという気のいい娘がいてね・・・」という話が始まった。

「シベリア抑留されていたんですか?」と質問したら、案の定、そうだった。終戦後、大陸でソ連軍に捕まり、「ウラジオストクに連れて行く」と言われて列車に乗せられたら、明らかに列車が西に走っていくのでこれは変だと気がついたが、あとのまつり。彼は数年後に日本に帰れたが、結局帰れず消息不明になった人もいたらしい。あちらでは一生懸命働いても手を抜いても報酬が同じだったので、芋を植える穴も浅くしか掘らず、結果的に芋の出来が悪い、という結果になったりしていた。集団農場という形はダメだよな。ナターシャはいい娘だったが、「タレコミがあるので、ソ連の批判はしない方がいい」と忠告されたことがある。タレコミ、監視社会。現在の北朝鮮も同じ状態だろ、北朝鮮の人はかわいそうだ・・・とここでまた話が延々と・・・(^_^;)(^_^;)

他のお客さんが来て忙しそうになったので、説明終了。そうしたら、外はすでに晴れていた。今日は本当に忙しい天気だ。下にいたおばさんに傘のお礼を言った。おばさんはわざわざ外に見送りに来てくださった。おじさんは濃い人だったが、おばさんは普通にいい人だった(^_^;)

●秩父珍石館
秩父市上影森764-6、0494-22-5382
春〜夏 9〜18時、秋〜冬 10〜17時、400円
97年の荒川レポ

【参考文献】
「ニッポン秘境館の謎」(田中聡、晶文社)
秩父珍石館ができるまでの経緯について詳しく書かれている。内容は貴重だが、やや割高感あり。